3/14 好きな歌詞①
好きな歌詞がいくつかあるので歌手別に紹介していこうと思う。
「余談」
ただ現実ではありえない 夢の中では実際に
起きたら忘れてるくらい おいしいご飯を食べたり
理不尽でむかつく話でも 納得できたりする
それは知ってるよ
夢というものの内容は大概漠然としていて、どういうものかと具体的に述べることは難しい。その気持ちをこの歌詞はのびやかに代弁してくれている気がする。
そして曲の最後にはこう締めくくられる。
起きたら忘れてるくらい おいしいご飯が食べたい
理不尽でむかつく話でも 納得してみたい
瞼の裏をスクリーンにして 明日の予告が観たい
楽しみで待ちきれないほどの 今日の続きがいいなぁ
余談というタイトルにふさわしい、ほわほわという音が聞こえてきそうな歌詞である。
「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉 」
抜け出せない迷路の中 回り回ってまたスタート
きっと最悪も最高もワンプレートでやってくる
この曲の冒頭部分である。二文目において「最高も最悪も」ではなく、「最悪も最高も」と、対になる言葉のネガティブな方を前に持ってくるのが好きである。
前者だとメロディに乗せにくかっただけかもしれなが、この小さな倒置が個人的にとても気に入っている。
先生、愛に質量があると仮定した時
やっぱ、行ったり来たりで
バラバラになってしまうんでしょうか
この詩の好きなところはまさにインパクトである。一見ただのクサい歌詞に思えるが、よく考えてみると詩が言うところをイメージすることがなかなか難しい。このなんとも言えない感じが好きなのである。
正当性の盾の向こう側
自尊心なんて食えもしないだろう?
一体何がそんなに恐ろしい?
人間なんて灰になって終わり。
少し挑発的に畳み掛けてつながるのは、鼓舞するようなものではなく、悟ったような歌詞。初めてこの曲を聴いた時、「白骨の章」が想起されてしまった。
しかし決して投げやりなわけではなく、歌詞はこう続く。
醒めた夢はもう二度と戻らない
誰かのせいにしたままで生きるのか?
気に入らないことばっかりだ。
気に入らないことばっかりだ。
気に入らないことばっかりだ。
気に入らないことばっかりだ。
自己との戦いをここまで冷静に爽快に表現した歌詞は出会ったことがなく衝撃だったので、歌詞としても曲としてもこのバンドの中で一番に好きである。
③GLIM SPANKEY
「 褒めろよ」
お世辞何度吐いたって
単純な馬鹿には見抜けないのさ
今日もよいしょよいしょしとけばいい
いまに天まで昇り詰めて消えてくさ
目上の立場の人への感情の詩というのがそもそも珍しいが、よいしょよいしょや天まで昇り詰めるなど言葉の使い方がとても面白い。
褒めろよ いつか世界が掌返すの見たいなら
褒めろよ でかい野望で敵を味方に変えてしまえよ
誰よりも輝く為 褒めろよ 踊る阿呆と踊るフリして
曲名だけを見た時、自己肯定曲かなと思ったが全然違った。なんとも野心に溢れたお世辞推奨曲だったのだ。また踊る阿呆という少し古典的な面白い表現も入れてきているのも憎いところである。自分が会社に入ったら毎日聞こうと決めている。
ワイルドサイドを行け ヤバい場所で今夜会おうぜ
やわな平和に慣れた奴らも きっとそれはそれでヤバいのさ
国籍 生きる答えが 違うことは関係なくて
人に弾かれた者同士も 同じ孤独で繋がれんだ
仲間とこじ開ける未来は絶景さ
何かTHE BLUE HEARTSらしさを感じるこの歌詞だが、何と言っても「ヤバい」という表現がヤバい。語彙力が低い人の使う言葉の代表「ヤバい」をなんとサビに持ってきているのである。 曲を聴けば、メロディや詩の勢いの中で「ヤバい」は確かにとてもしっくりくるのだが、この言葉をチョイスできるのは本当にヤバいと思う。
この曲の他に「大人になったら」という大好きな曲があるのだが、自分が感想を書いてしまうと陳腐に思えてしまうほど良い曲なのでここでは触れない。久しぶりに曲のサビを聴いて震えた。
こんな感じでタラタラと書いてみたが意外と長くなってしまった。
もしこの文章を読んでいる人で、この歌詞が好きだ!みたいなのがあったらぜひ教えてください。
次はTHE BLUE HEARTSやTHE HIGH-LOWSについて書きたいなぁ。