京都日記

日記です

6/14 名曲

私が聴いてくれる人のところに行って寄り添ったとしても、ほっぺたをくっつけるぐらいしかできない。だけどその人自身になれたら、一番その人の近くにいられると思うんです。つまりその人の鏡になりたいというか、究極的には私が歌ってなくてもいい、名曲と呼ばれるようなものを作りたいですね。

吉澤嘉代子のインタビューをいくつか読んだが、彼女は「名曲」を作りたいとよく語っている。

その思いは、彼女の音楽のルーツとなる楽曲達からくるのだろう。

その心意気もたいそう好きなのだが、注目すべきは、彼女の言う「名曲」の定義である。

 

「リスナーの鏡になれて、究極的には製作したアーティストが歌っていなくても良い曲」

 

歌手として素晴らしい声を持ちながらも、このような考えが出てくるのかと驚いた。また、各々の趣向が細分化している時代であるからこそ、歌い継がれて行く「名曲」を作りたいのかもしれないと感じた。

何にせよ今まで数々のアーティストのインタビューを読んできて、その中で一番と言って良いほど響いた文章であった。

 

また言葉への執着の強さの理由として以下のように述べている。

中学時代から好きな短歌の影響かもしれないです。言葉の文字数に制限がある中で、どれだけのことを伝えられるかという点では、歌詞の制作に通じる部分があるんですよね。制限や制約があるからこそ、その中で自由になる瞬間を感じられるんだと思います。

何となく、おこがましいが、短歌を好きな理由など自分と感覚が似通っている気がして、嬉しくなった。

 

吉澤嘉代子。つい最近知ったのが悔やまれるほど、創造力(想像力)豊かで面白いミュージシャンである。

 

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6/9 好きな歌詞③(ヤバT,吉澤嘉代子)

①ヤバいTシャツ屋さん

「ヤバみ」

曲の出だしで英語をむやみに使うバンドを否定したり、サビもヤバTらしいヤバい詩なのだが、何気に深い歌詞が混ざっている。

日本語の乱れがどうたらこうたら言うけど

いつの時代でもおんなじ

ふんいきよければそれで全然大丈夫だから

まぢウケんね

これは自分も最近よく思うことだ。正直近頃まで、口語を書き言葉で使ったりすることや、ら抜き言葉が苦手だったのだが、言葉の変化は時代によるものだし伝わったらいいかという考えになってきた。清少納言も当時の言葉の乱れを指摘していたけど、結局現代語は古語からかけ離れているし。この詩でおもしろいのは「ふんいき」や「まぢ」など、乱れた日本語を皮肉のようにあえて使っているところである。

「歌詞に意味がないと!」

「説得力がない!」

もうそんな時代じゃない!?

「理解できないものばっかりはやってく!」

いつまで置いてかれちゃってんの

今の邦ロックシーンの真理を突いていると思う。インターネット社会で様々なバンドが出てきて、ヤバTも含め個性の強いバンドのことを、メッセージ性もないし何が良いんだと思う人もいるであろう。しかし現実としてそういうバンドが流行っているのであって、そう思う人がついていけていない(置いていかれてる)、もしくは認めたくないだけなのではないか。歌詞に大して意味がない曲も好きな自分にとっては、とても爽快な詩なのである。

 

無線LANばり便利」

「Yeah」を「家」とかけるところから始まり、Wi-Fiに関するあるあるを並べる詩から始まる。この曲の詩で一番好きなのは、やはりサビだ。

無線LAN LAN LA LAN LAN LAN LA

LAN LAN LAN LAN LA LAN LAN LAN LA

LAN LAN LAN LAN LAN LA LAN LAN LAN

LAN LAN LAN 無線LAN 有線LANより便利

 小山さんは絶対このサビありきでこの詩を書いているだろう。ドヤ顔が見える。何気にラブソングになっていたりするのだがもはやどうでもいい。こんなにインパクトのあるサビを持つ曲にはそうそう出会えない。

 

吉澤嘉代子

最近どハマりしているシンガーソングライターである。ヤバTの小山さん同様に、この人も相当の奇才だ。

「ガリ」

少しだけ高級なお鮨のパックが半額

恋人の家のドア

ひらくみたいにふたを開けたなら

何か足りない

ガリ ガリ ガリがない

あいつがいなきゃ締まらない

ガリ ガリ ガリがない

あいつがいなきゃ終わらない

今夜が 終わらない

お鮨のパックを開ける仕草の例えもおもしろいのだが、サビに持ってくるのがガリなのがずるい。しかもガリがないことに対する主人公の残念さが少しわかってしまうのも悔しい。

ガリガリになっちゃいそうだ

ダーリンダーリン恋しくて

そこにいるのを忘れてしまうくらい

あたりまえだったから

ガリ ガリ ガリがない

いつでもあると思ってた

ガリ ガリ ガリがない

どうして付け忘れたのか

この人のガリへの熱はすごい。「そこにいるのを忘れてしまうくらい あたりまえだったから」、このフレーズの対象がガリである。しかもガリは何かの比喩ではなく、本当にただのガリなのだ。ずるいなぁ面白いなぁ。

 

「ブルーベリーシガレット」

不良の男の子を好きになってしまう少女の歌であるが、ブルーベリーシガレット(タバコの形をしたラムネの菓子)を絶妙にサビに持ってくる。

あなたが仲間とたむろしている場所

うつむきあしばや通りすぎる日々

そんな真面目ちゃんはもう卒業

駄菓子屋で例のブツを買う

ブルーベリーシガレット

不良になったきぶん

ワルなあなたにお似合いの

カノジョになるため

自分は主人公が背伸びをしている(しようとしている)詩が好きである。これは石野真子の「私の首領」の「はじめての香水も迷惑そうに自然がいいよと 横向いた」という詩にも共通する。

不良に「背伸び」しようと、タバコ型の菓子をくわえる。「背伸び」感MAXである。「きぶん」「カノジョ」などの単語を、あえて漢字にしないのも、「背伸び」感を狙ってのことであろう。なぜ自分は「背伸び」感がある詞が好きなのだろう。まだそこに共感できるほど精神が幼いのか、それともその時期を脱したからこそ客観的に微笑ましく見えるのか、自分でもわからない。

 

吉澤嘉代子は他にも「ケケケ」という恋愛のために剃られる無駄毛に同情(?)する詩の曲を書いたかと思いきや、「うそつき」というレズビアンの子が相手に想い伝えられない複雑な心情を書いた詩の曲を書いたり、本当に面白いミュージシャンである。これからもっと売れないかなぁ。

 

次こそはブルハとハイロウズについて書きたい。

5/24 誤解

昭和のアイドルが好きだと言うと、そう言う顔つきがタイプなんだねとよく言われる。

 

これは全くの誤解である。

 

石野真子は好きだが、可愛いとは言っても、彼女より顔つきが好きな人は今の芸能人にも、なんなら周りの人にも、たくさんいる。

 

コントをしたり歌を歌っている時に輝いている姿を「可愛い」と言っているだけで、タイプの顔つきであるわけではない。すなわち、写真などを見て可愛いと言うのも、ステージに立つ彼女を知っているからこそなのだ。

 

研究室の机の上に彼女の写真を飾っているのは、父親が娘の写真を職場のデスクに飾っているくらいの感覚なのだ。なんというのだろうか、落ち着きという感覚に近い気がする。

 

でもこんなことをうだうだと思っていても、特に初対面の人の誤解は、致し方ないものだなぁと思う近頃である。

 

 

5/20 絵三昧

散らかった部屋を片付け、家を出る。何気に自転車に乗るのがかなり久しぶりである。

 

それにしても良い天気である。

 

鴨川のほとりでよさこいサークルが、色とりどりなシャツを着て練習している。絵になる。

 

烏丸今出川で信号を待つ。爽やかな格好をした男女が同志社の前の道で談笑している。絵になる。

 

烏丸通りを北上する。烏丸北大路の交差点で、膝上の青い短パンを履いた大学生が、メロンソーダを飲んでいる。メロンソーダの販売促進用ポスターにそのまま使用できそうなくらい、絵になる。

 

目標であるタバコ屋さんに着く。月曜日に誕生日を迎える、研究室の先輩へのプレゼントを買いに来たのであった。おばちゃんにタバコの種類などを教えてもらい、購入する。去り際に、「吸わないのにタバコをプレゼントに選ぶなんて優しいわねぇ」と褒められ、少し嬉しくなる。「タバコ屋さんのおばちゃんと談笑する。」、なんともTHE絵である。間違いなく今日の、MVE(Most Valuable 絵)になるであろう。これが言いたかっただけでは決してない。

 

帰りに、道端の小学生に、いろはすのペットボトルを改造した水鉄砲で、水をかけられる。少しイラっとしたが、まぁ絵にはなる。

 

そしてこれからまた1つ絵になるところに向かう。楽しみである。

 

そんなこんなで、今日は絵三昧な1日である。

絵三昧。これが言いたかったのである。

 

5/18 素

研究室の机の上に石野真子の写真をおく。色々な人に誰かと聞かれるが、いかにもさらっと答えることで自分は変わっていないですよ感を出して行く。

 

勉強会の参考書に、「第5版1980年10月15日」と書いてある。

「あ、山口百恵の引退日」

と無意識に呟いてしまう。ここでアウトである。

 

こんなわけで、研究室の人にも「昭和歌謡好き」という最後の素性を明かしてしまった。とほほ。あと3年間いっしょにいることになるであろうから別に構わないのだが。

 

また、今日勉強会の前に、先輩とパンを買いに行く道中で以下のような会話があった。

自分「先輩は自炊されるんですか?」

先輩「私は簡単なものしか作らないけどね〜」

自分「え、じゃあラタトゥーユとかですか?」

先輩「絶対ラタトゥーユって言いたかっただけでしょ」

大正解である。先輩曰く、言いたいだけの言葉を言う時の自分の顔が分かってきたらしい。

たった1ヶ月でその顔が見破られるとは。少し恥ずかしくなりながらも、自分が研究室生活の中で普段から素を出せているのだろうかと思うと、少し嬉しくなったのであった。

 

5/16 好きなひびきのことば②

この日記をつけだした頃に、ランキング形式で3つ好きなひびきのことばを書いたが、それから新たにいくつか出会ったのでここに書き留めておく。

 

①つんつるてん

「つんつる」でもうすでにかわいい。「つん」に「つる」である、かわいくないはずがない。そしてその夢のコラボを締めくくるのが、「てん」。ドン!と締めくくるのではなく、優しく、またすこし不器用に締めくくってくれている気がしないだろうか?

 

②もくもくファーム

バイト先の生徒が遠足で三重の「もくもくファーム」に行ったらしい。最初は「もこもこファーム」だと空耳しており、羊などと触れ合える場所だと思っていたが、どうやら違うらしい。ビュッフェ形式の形式のレストランらしいが、「もくもく」とは何だろう?そもそも平仮名で正しいのか? ただ「もくもくファーム」というひびきがすこぶる良いので、何度も呟いてみたくなる。考えた人は天才か。

もし「もくもくファーム」について詳しく知っている人がいてもまだ教えてくれないでください。頭の中で自分なりの「もくもくファーム」を楽しんでいるところなので。

 

③シャリ機

研究室の同回の女の子が某チェーン回転寿司店でバイトしているので、話を聞いていると、シャリを自動で成形してくれる機械があるらしい。その名も「シャリ機」である。いやいやダイレクトすぎるやろ。しかしこの三文字で事足りているのだから面白い。またこのことばのひびきが良いのも憎い。シャリ機であるシャリ機。口に出せば出すほど面白い。このことばを知れただけでもこの女の子と同じ研究室で良かったと思った。

 

こんな感じでとりあえず3つ紹介した。どれもなかなかのお気に入りである。あと10個くらいたまったら、前回のランキングのアップデートも検討することにしよう。

 

5/15② 手摘みぶどう

先日自販機でいろはすのぶどう味の炭酸水を買った。

帯の左にはこう書いてある。

 

長野県産 手摘みぶどうエキス入り

 

「手摘み」ぶどう。

 

「手摘み」。

これは果たしてアピールポイントになるのだろうか?「摘みたて」などの方が美味しそうではないか? そもそも手じゃなく機械でぶどうを摘むことがあるのか?そして機械で摘むことで失われる美味しさがあることを知っている層をターゲットとして置いているのか?

 

謎は深まるばかりである。

 

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