京都日記

日記です

4/23 鴨川

朝の光で目がさめる。8時20分。布団を蹴り上げ、勢いよく飛び起きたが、なんてことはない、今日は日曜日である。安心して二度寝につこうとするも、寝つけず、仕方なく起きる。

 

眼鏡をつけ、窓の外に目を見やる。

天気記号が空に浮かぶような快晴である。

 

これは外に出ないと。そそくさと昼食と着替えをすませ、下宿を出る。

 

まず友人がバイトをしているパン屋に向かう。三種類パンを選んで、レジに並ぶ。友人がお客さんを前に、慣れた手つきで真剣にレジを打っているのを見ると、たいそう不思議な気持ちになる。しかし、自分のことを見つけると、いつもの友人としての顔に戻る。この時の感覚を常々言葉にしたいのだが、その都度失敗し、たいそうもぞもぞする。

 

鴨川に向かう。いつもなら人が少ない北の方で本を読むのだが、あまりにも賑やかなので、惹きつけられて、デルタに降りる。

 

前方には、父親と息子と娘で川の中の魚を取ろうとしている家族。女の子は明らかに体格に見合わない大きな網を持ち、男の子は長ズボンを短パンほどまで捲っている。魚がとれたのか確認するため、網の中を父親と娘が同時に見ると、頭がぶつかり、互いに目を見合わせ笑う。

後方には、大学生の新入生らしき集団。少し聞き耳を立ててみると会話に大した中身はない。しかしそのような馴れ合いが一番楽しいことは知っている。

右方には、父親を娘と母親がはさみ、川の字で寝転がる家族。どこから、どのような経緯で、ここへきて寝転がっているのか想像する。今後の予定をわいわいと話し合っている。

左方には、同じ大学に通っているであろう、男子三人組。特に会話も交わすことなく、本を読んだり、スマホを触ったりしている。自分は沈黙が訪れると無理にでも何か喋ろうとしてしまう質だが、沈黙を気まずいと思うことなく過ごせるのはとても良い関係だと思う。

 

このように四方を、鴨川に対して「絵」になるようなものに囲まれながら、大好きな川上弘美の日記を読む。

もしかしたら自分も周りから見れば、「鴨川のほとりで一人で読書する男子大学生」という「絵」の一員になっているのではないかなどと想像し、のんびりとしたひと時を過ごす。

 

座っている場所が日陰になり少し寒くなってきた。帰りに生活用品を買って、下宿でのんびりして、明日からまた頑張ることとしよう。

 

 

最後に川上弘美の日記の中で、一番印象に残った文章を残しておく。 

 

「ツボ押し器を三種類買う。蛙の形のものと、四面体のものと、杖型のもの。蛙の形のものを「タツヤ」と名づける。タツヤという名の人に知り合いがいないので。でもちょっと知り合ってみたい名前なので。

夜、タツヤに腰と肩のツボ押しをさせたけれど、あまり効かない。」

(東京日記「卵一個ぶんのお祝い。」/川上弘美)

 

うんうん、このようなものの感じ方をできることが羨ましいし、それを文字に起こせるのも素晴らしいと思う。大ヒットを生むような作風ではないが、これからも長く作品を読ませてもらうであろう、大好きな作家さんである。

 

f:id:momoe19801015:20170423164833j:image